一般に、ベビーブーム世代が労働力市場から去っていくにつれ、労働力不足の問題がますます深刻化し、これはオートメーション化によってもたらされるあらゆる影響を和らげ、もしくはその影響を完全に相殺することさえできると予想されている。しかし、「我々が見てきたとおり、多くの仮説が不確実要因の上にたてられているもので、状況はきっとはるかに複雑になるだろう」とフォード氏が本の中で述べた。さらに「ロボットの台頭によってもたらされる経済や社会への破壊に関して言えば、中国は中心となる。経済の全面的な繁栄になるか、それとも災難的な経済不平等と不安定という大きな試練に直面することになるかは油断できない」と氏が指摘した。
勿論、試練に直面する可能性のある国は中国だけにとどまらず、多くの発展途上国にとって、労働集約型の製造業を頼りに繁栄を目指す道が行き詰まる可能性がある。「場合によって、世界全体が巨大な嵐に見舞われることもありうる。つまり、技術失業と環境への影響がほぼ同時に発生するということだ。両者は互いに作用し合い、時には片方のマイナス影響が大きく拡大される可能性もある」とフォード氏が見ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月30日