中国製造業の弱点:製造文化と精神の欠如

中国製造業の弱点:製造文化と精神の欠如。

タグ: 中国製造業,製造文化

発信時間: 2015-08-01 13:18:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

工業精神と製造文化の欠如が、中国製造業のバージョンアップを阻む大きな弱点となっている。中国独自の製造文化を育むためには、政府と企業、社会が団結して前進する必要がある。様々な矛盾や形態が交錯する現状に直面しながらも、「メードインチャイナ」は依然としてグローバル構造の中で主導的役割を果たしている。とはいえ、これが「メードインチャイナ」のバージョンアップを促進させることを意味しない。無視できない点として、中国製品が廉価だというイメージが全く変わっていない事実、中国企業が短期的利益ばかりを追っているという事実が挙げられる。

これらの問題こそ「メードインチャイナ」の弱みだ。現在、中国の製造業が直面している多くの悩みは、工業精神と製造文化の欠如と関係がある。

管理学者は言う。農業化から工業化へ転換する際、中国人は急ぎ過ぎた。工業化において重要な工業精神は、十分には重視されてこなかった。西洋工業社会の重要な推進力はその工業文明にある。そして中国は現在もなお、本質的な意味での工業文明が形成されていない。

第一に、製造業は価値と精神の融合を図ることが急務

「メードインチャイナ」と世界の先進的レベルの差はどこにあるのか。

企業世界では、技術や品質、ブランドなど有形の要素以外に、いくつかの無形の圧力が彼らの大きな悩みとなっている。

まず、職人の流動性が企業を支えることができなくなっている。たとえば福建省晋江市の盈広公司では春節前、農民工の一部が早めの休暇を要求した。その結果納品が遅れ、9万元の損失となった。春節後、月給を昨年の2400元から2600元に上に上げた。しかし200名以上いた従業員は3分の1しか戻ってこなかったため、新たに募集をかけるしかなかった。社長は「中国には“揺るぎない軍営と日々変化する兵”という諺があるが、企業から見るとこのような現象は面倒この上ない」と訴える。他の企業経営者もこれに共感している。福建省のある会社の会長は、「晋江市には外地工員が100万人以上いる。彼らの多くは簡単に職場を換えるため、安定生産がおぼつかなくなっている。そんな中で、丹精を込めて職人精神を育てろだって?」とため息をつく。

質がより高く、そして製造業の技能を高めたいと考える人材を、いかに多く育てるか――。それを考える企業が急速に増えていると、ある企業家は指摘する。

次に「目先の利益だけを追う」精神では、百年企業は生まれない。

さらに、「安いが品質も悪い」というイメージが根本的に変化していない。中国の製造業は「良くて安い」という伝説を作り出した一方、パチモノやモノマネが中国製品を「安いが品質も悪い」というイメージも作り出したと多くの企業管理層が指摘する。これが中国製品に対する海外消費者のイメージとなると共に、国内消費者の中国ブランドに対する信頼も失わせた。今年のはじめ、中国の消費者が訪日して便座を爆買いしたことは、まさに中国製造業の欠点を象徴するものだ。

一部の企業家の観点として、高速鉄道や電気設備を代表する設備製造業、ファーウェイや中興を代表とするIT企業、格力やハイアールを代表とする家電ブランドなど、「メードインチャイナ」は従来の「EMS+低価格」のモデルから、「コア技術と人間志向のデザイン、ブランド化」のモデルへ変換しつつあるという見方がある。この過程にあるならば、やはり中国製造業の価値と精神を再創造することが喫緊の課題だといえる。

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