第二、トップ企業が率先して実践すべき
現代工業文明は17世紀のイギリス工業革命以降、一貫して世界の工業を導いてきた。アメリカ、ドイツ、日本などの国はこの期間、それぞれの現代製造業文化を築き上げてきた。
たとえば百年前の教会の鐘や酒醸造施設から、現在のベンツやBMWに至るまで、ドイツ製といえば「耐久性」、「安全」、「精密」というイメージが強くある。これはまさにドイツの製造業の精神文化である「専心」、「スタンダード」、「精確」、「完備」、「秩序」を体現するものである。
リーディングカンパニーは、中国製造業文化を作る土台であり土壌である。そしてアメリカのフォードや日本のトヨタなどはそのような役割を果たしていると業界人は考えている。中国でもリーディングカンパニーが率先して中国製造業文化を追い求め、実践し、洗練させ、共通の価値観と時代の精神を作り上げていくべきだ。
第三、全社会が「メードインチャイナ」のソフトパワー向上を求めている。
どうすれば中国製造業は強くなれるのか――。この問いに対し、多くの識者は同様の回答をする。「全社会が科学技術の革新を重視しているのと同様に、全社会が製造文化の育成を重視することで、メードインチャイナのソフトパワーを向上させるべきだ」。政府もまた、イノベーション力や品質重視、実業重視の体制を完備するべきだという、社会的コンセンサスと文化的雰囲気を作り上げたいと考えていることだろう。
「値段は応相談、品質は説明不要」、「一に品質、二に低コスト。価格は二の次」、「規模を求めず、専門性や精度を求める」――これは先進国の製造業企業が持つ普遍理念と文化である。中国の製造業企業も製造文化を実践し、消費者からの尊敬を集めるべきだ。不合格と思う製品を市場に流すべきではない。孤独に耐え、望んで時間を費やし、人材を育成し、全社会に向かって職人精神の大切さを訴えていくべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月1日