中国では13日、一部の小鉄鋼メーカーが建築用スクリュー・スチールなどの輸出価格を1トン当たり5~10ドル程度の値下げに踏み切った。これは人民元切り下げに対する中国輸出業界の反応だと市場が見ている。昨年以降、中国鉄鋼業の輸出は低価格によって拡大し続けてきた。業界筋は、「先週の人民元切り下げは『中国製』の輸出価格優位を一層高め、ここ数年低迷続く輸出の拡大加速につながる可能性がある」と見ている。
中国人民銀行(中央銀行)は13日、人民元の対米ドルでの基準値である中間値を再度700ベーシスポイント引き下げ、1ドル=6.4010元とした。これは11日の人民元1000ベーシスポイント基準値下げに続く3日連続での切り下げとなった。人民元基準値の引下げによって、繊維・アパレル、鉄鋼メーカーを代表とする輸出指向型産業が恩恵を受ける見込みがある。
中国税関のデータによると、今年上半期の中国の累計鋼材輸出量は前年同期比27.8%増の5240万トンとなった。近年、鉄鋼製品の安値で輸出が拡大し続けてきたが、今年6月の鉄鋼価格が2002年以降の最安値を更新し、人民元の切り下げでその優位性が一層拡大されるだろう。