(三)中国国民に対する観光ビザ発給要件の緩和やビザの免除も、海外旅行ブームを過熱させている。一昔前まで、中国国民にとって、海外旅行は金銭面だけでなく、ビザの取得も高いハードルだった。ここ数年、観光ビザを免除する国や地域は増えつつある。さらに、昨年末から、米国、カナダ、オーストラリア、韓国、EU(欧州連合)の一部加盟国なども、中国人観光客に対し、複数回の入出国が可能なマルチビザの発給を認めた。
(四)香港・マカオ旅行の人気の凋落。中国人海外旅行先の内訳をみると、香港・マカオが全体に占める割合は、2012年上半期の62%から今年上半期には53%に低下。香港・マカオの観光業、小売業に大きな打撃を与えている一方、世界のほかの国や地域を訪れる中国観光者が大幅に増加する一因となった。
(五)中国で一定の社会的地位を持つ人々にとって、海外旅行は消費モデルの一つとして固定化しつつある。今後も富裕層は世界各国を旅していき、さらに外国を訪れたことのない多くの人々も海外旅行の夢をかなえるだろう。もちろん、株式市場で売買のタイミングを的確に捉えた幸運な個人投資家たちも、海外旅行者に加わるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月24日