インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画をめぐり、日本が受注の有力候補とされるなか、中国が攻勢を強めている。中国はインドネシアに対し、巨額の低金利融資の提供など、魅力的な条件を提示。中国主導で進めている経済圏の構築にも協力を求めたい考えを示している。インドネシア政府は今月末にも発注先を決める見通し。日本メディアの報道によると、中国の猛追に日本国内で衝撃が広がり、「予断を許さない状況だ」として警戒感を強めている。
日本のある大手新聞社は8月26日付の記事で、[C1]「技術面と資金面で中国が優位性を持つ」と報じた。中国が10日に提出した計画の提案書を、インドネシア政府国家開発計画庁(BAPPENAS)の高官が絶賛。インドネシアの要望に中国が十分応えているためだという。
インフラ建設の予算不足から、インドネシア政府は負担の低減を希望している。これに対し、中国は55億米ドルに上る総工費の全額を年利2%で融資する条件を提示。当面の間、インドネシア政府の事業費負担はない。
また、インドネシアが求めている技術移転にも中国が応じている。両国合弁で鉄道部品工場を設立し、東南アジア鉄道市場の共同開発を提案した。