インドネシアの決定をめぐり、海外は憶測をたくましくしている。一部の海外メディアは、高速鉄道の争奪戦によりインドネシアが中日の外交の駆け引きに陥ったが、どちらか一方の不況を買いたくなかったと分析した。共同通信社は5日、ジョコ大統領は3月に訪日した際に、次の訪問先として中国を選択し、両国との「等距離外交」を強く意識したと報じた。インドネシアは、日中のどちらか一方との間に亀裂が生じることを望んでいない。ジョコ大統領は方針見送りを決定してから間もない3日夜、関係者に「どちらかのメンツを潰したくない」と述べた。
インドネシアの政治アナリストは5日、環球時報に対して、「中日の高速鉄道プロジェクトに対する重視、メディアのもてはやしは、商業的な行為を政治問題化させた。これはインドネシアにとって想定外のことだっただろう。ジョコ大統領が急きょ高速鉄道の計画を見送り、双方の案を突き返したことには、政治的なバランスという理由があったと思われる」と指摘した。
「突然の計画変更により、インドネシア政府の信用が大きく損なわれた」5日付産経新聞は、直接的に不満を表した。宮沢洋一経済産業相は4日の記者会見で、本件について、「事実だとすれば、これまで私自身もインドネシアの関係者に色々お願いをしていた件であり、残念なことだと思っている」と述べた。太田昭宏国土交通相は、「インドネシア政府の詳細な説明を待ちたい」と述べた。サンケイビズは、「タイ、インド、ベトナムなどで高速鉄道、都市鉄道、地下鉄の計画があり、今回の出来事を奇貨として、新興国が自国に有利な条件を引き出すために日中を競わせるケースが増える可能性もある」と分析した。