環境保護の経済への影響は? 環境保護部がデータで分析

環境保護の経済への影響は? 環境保護部がデータで分析。

タグ: 環境保護 経済 影響

発信時間: 2015-09-13 09:54:50 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国の経済発展が減速の圧力に直面する中、「環境保護が経済発展に影響を及ぼすのでは」という声が上がっている。中国環境保護部は9日、専門家チームが長期的なリサーチによりまとめた報告書を発表し、環境保護が確かに経済に悪影響を及ぼしていることを認めたが、この影響は短期的かつ小範囲のものだとした。影響が及ぶのは主に次の面だ。

(1)GDPへの影響。時代遅れの生産能力を淘汰することでGDPが減少する。研究者の計算によると、第11次五カ年計画期間(2006−2010年)に、中国は省エネ・排出削減を拡大し、時代遅れの生産能力を淘汰した。これによりGDPが1869億元減り、同期のGDPの0.12%を占めた。「大気汚染防止行動計画」(2013年)の実施以来、時代遅れの生産能力の淘汰によりGDPが1148億元減少し、同期のGDPの0.03%を占めた。

環境保護は確かにGDPに影響を及ぼすが、小さな影響であることが分かる。より注意すべきは、これらの影響が短期的に火力発電、製鉄、コンクリート、フロートガラスなどの業界を制約するが、現代サービス業、環境保護産業、設備製造業などの新興業界をけん引することだ。

(2)企業のランニングコストの増加。中国環境保護部の調査員によると、山東省淄博市では近年400億元以上の環境保護経費が投じられ、汚染企業(延べ)8000社以上の業務改善を行い、各種零細企業1000社以上を閉鎖し、汚染防止対策の設備を1000台以上追加した。これらの投資の多くは企業が負担し、短期間内に企業の収益に影響を及ぼす。

しかし角度を変えて見てみると、これらの投資は必要不可欠だ。環境保護部環境計画院副院長の王金南氏によると、これらの投資は企業が排出基準を満たすため必要なものだ。また環境保護の投資拡大により、汚染による環境の損失を回避し、現地の環境保護産業の高度発展をけん引できる。経済減速の圧力に直面しているが、同市の環境保護産業は2桁以上の成長を維持している。

・環境保護、経済発展に4つのメリット

メリットその一:経済成長をけん引

報告書によると、第12次五カ年計画前期(2011−2013年)、中国の環境保護投資額は2兆3300億元に達し、GDPを2兆5600億元増やした。これは3年間のGDPの1.64%に相当する。

メリットその二:産業のモデルチェンジとアップグレードを促進

浙江省を例とすると、近年の厳格な環境保護基準により、計273社の鉛蓄電池メーカーのうち224社を閉鎖した。しかし浙江省の蓄電池業界の生産額はむしろ増加し、改善前の41.3%増となり、利益は75%増となった。

メリットその三:省エネ・環境保護産業の発展を促し、新たな経済成長点をもたらす

石炭総量制限政策により、「エネルギー共同管理」などの市場化省エネモデル、省エネサービス企業が生まれている。環境保護基準を厳格化し、法執行を強化し、汚染の第3者改善モデルを推進し、専門的な汚染防止技術企業が生まれている。環境保護には巨額の資金が必要であり、環境保護投資のPPP(官民連携)モデルが生まれている。

中国の第12次五カ年計画期間(2011−2015年)に、省エネ・環境保護産業は15−20%の成長率を示している。再生可能エネルギーへの投資額は677億元と世界最高額に達している。

メリットその四:汚染による健康被害と経済の損失が減少

専門家の研究によると、環境汚染や生態破壊による経済損失は、年間GDPの6%前後を占めている。また、室外のPM2.5汚染により、これに敏感な人たちが疾病にかかるリスクは高まり、死亡例もある。環境保護は経済発展にともなう環境への影響を減らし、グリーンGDPを増加させる。これに対し、一部の汚染企業の経済成長や税収増加への貢献度は限られており、水質汚染、土壌汚染、生態破壊の対策に数十倍の資金を投じる必要がある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月13日

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