ブレンダン・エイハーン氏は、中国経済が内需主導型に転換しており、国内消費が経済成長の新たな牽引役になったと分析した。外需の減退による影響を受けて製造業に減速の兆しが出ているものの、中国経済のモデルチェンジは必然的な流れで、正しい方向に進んでいると指摘。中国経済は外部に対する依存度が低下しており、今後の見通しが依然として明るいとしている。
中国経済がこれまで輸出に頼っていたことについてスティーブン・ローチ氏は、先進国の需要が弱く、中国の輸出利益が通貨高と賃金の伸びに圧迫されていることは、懸念材料になると指摘。7月の統計データをみても、中国の輸出は減速しているが、政府が適切な対策を早期に講じるとの見方を示した。
スティーブン・ローチ氏は、「中国経済は製造業からサービス業へのモデルチェンジが非常に速いペースで進んでいる。投資と輸出を中心とする経済から、消費主導への移行は、経済成長を促進する非常に良好な新常態(ニューノーマル)となる。当面は問題も生じるが、長期的にみれば中国経済がニューノーマルと再均衡に向かって発展することは非常に重要だ。今年の年初に比べると、中国経済はすでにニューノーマルに足を踏み入れた」と述べている。