中国の改革は精彩を放つドラマのようだ。ストーリー展開から目が離せない。中央改革深化指導グループは設立以来、すでに16回の会議を開催。議題は経済、司法、科学技術、文化など幅広い分野に及び、重要な政策を次々と打ち出している。最近公布された「国有企業改革の深化に関する指導意見」、「開放型経済新体制の構築に関する意見」などに注目が集まっている。さらに、「生態文明体制改革の全体方案」や、「科学技術体制改革深化の実施方案」は近く発表される見通し。行政のスリム化と許認可権の移譲も進められており、規制緩和の推進で市場は活力が増している。
価格面で製造・サービス業の優位性が弱まるなか、イノベーションが中国経済の原動力となっている。習主席の訪米に世界が注目しているが、中国の企業家も熱い視線を浴びている。絶えずに新製品、新サービスを開発・投入するアリババグループの馬雲氏も、騰訊の馬化騰氏も、海爾(ハイアール)も、一つの共通点がある。輝く中国企業・企業家の原点はいずれもイノベーションだ。
開放する中国は「扉」を大きく開き、世界と融合し、各国と「互利・互恵」の関係を築く。中国の改革の歩みは、開放の歩みでもある。開放を堅持してきたからこそ、中国が世界第2位の経済大国、世界第1位の資本流入国に躍進し、一挙手一投足が世界経済を大きく左右する存在となった。開放を一段と拡大するため、中国は「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)構想やグローバル生産能力の協力を推進している。各国が優位性を生かし、世界の国々に利益をもたらすというバランスの取れたグローバル産業チェーンの構築を中国は目指している。