中国の三大経済戦略の一つと位置付けられている「長江経済ベルトの発展戦略計画綱要」は年内にも発表される見通しだ。「計画綱要」の大枠が出来上がっており、「十三五計画(第13次5カ年計画、2016~20年)」に先立って発表される可能性が大きいとみられる。中国の東部、中部、西部を貫き、北部と南部を結ぶ長江経済ベルトは、中国経済の「背骨」と例えられている。沿海、沿岸地域から内陸部まで、長江経済ベルトが東・中・西部の開発を連動させる役割を果たす。
三大経済戦略の一環として、すでに正式に発表された「京津冀」(北京市、天津市、河北省)の一体化発展戦略と同様に、「長江経済ベルトの発展戦略計画綱要」は向こう数年にわたって中国で最も重要な地域発展戦略となる。国家発展改革委員会の連維良・副主任はこのほど開かれた国家新聞弁公室の記者会見で、「計画綱要」の策定を急いでいることを明らかにした。最新情報によれば、「計画綱要」の大枠が完成し、近いうちに発表される可能性があるという。
清華大学国情研究院の胡鞍鋼・院長は、長江経済ベルトの重要性を強調。中国政府が「京津冀」、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)、「長江経済ベルト」の三大経済戦略を掲げ、国土を4つに分割する「四大ブロック」というこれまでの概念を一新し、地域の一体的な開発を実現する。なかでも東西、南北をつなぐ長江経済ベルトが重要な役割を果たすという。