日中経済協会北京事務所副所長 高見澤学
文=日中経済協会北京事務所副所長 高見澤学
◆ 五中全会と13・五計画
今年10月12日に開催された中国共産党中央政治局会議で、中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議(以下「五中全会」)が、10月26日から29日まで北京で開催されることが決定された。この会議では、中国の向こう5年間(2016~2020年)の中期基本計画である第13次五カ年計画(以下「13・五計画」)の基本方針と骨格が議論され、計画策定に関する党中央の提案という形で採択されることになる。そして来年春の全国人民代表大会で、正式に計画要綱が採択される。現在、関係機関では13・五計画の具体的な内容について議論が進められているところだ。
◆ 13・五計画と中高速の経済成長
13・五計画での経済政策では、従来通り経済のマクロコントロールによる中高速の経済成長の維持という基本方針に変わりはないだろう。以前のような経済成長優先の高い成長率を求めることはないが、中国共産党が掲げる2020年には2010年比で国内総生産(GDP)と一人当たり平均収入を2倍にするという目標を達成するためには、一定の成長率は維持しなければならない。専門家の間では、成長率の目標を従来の7%に設定したとしても、現状からすれば、その達成は極めて難しく、6.5%にするのではないかとの見方もある。成長率もさることながら、中国ばかりではく、全世界が体験している大きな社会的変化にどう対応するのかが、13・五計画に求められる重要な責務であると言える。