もうすぐ11月11日の「独身の日」(Eコマースのビッグセール日)がやって来る。宅配便業者はすでに臨戦態勢に入った。物流センター拡張や設備購入、臨時スタッフの増員など従来方法以外に、今年は物流の強力な助っ人として“ビッグデータ”も加わった。数字で地域を分け、データ予測で各拠点の荷物数を予測管理し、販売業者にリアルタイムで予測データを送って宅配業者の選択をしやすくする……。“インターネット+宅配便”は運送効率を大きく向上させ、迅速な配達を保証してくれるだろう。
国家郵政局市場監督司司長の韓瑞林氏は取材に対し、今年の「独身の日」で配達される宅配件数は7.6億件超、40%以上の増加となり、1日あたりの処理数は最高で1.4億件を突破すると予測する。そこで記者は宅配企業を取材し、このビッグイベントに宅配業界がどう立ち向かおうとしているのかを調べた。
浙江省の杭州蕭山空港。10トンの荷物を満載させた圓通航空の貨物機が、出発を待っていた。この飛行機は西部地域の集散地である成都へ向かう。圓通航空企画商務部の総経理である張孟氏は取材に対し、EMSと順豊に続き、自社貨物機を所有する国内3番目の企業となったとした上で、同社はすでに3機の貨物機と21名の飛行士を抱えていると述べる。「自社の飛行機を使った初めての『独身の日』がもうすぐやってくる。11月以降も引き続き2航路を開通させる」と同氏は述べる。
アリババの物流子会社であるCainiaoのネット宅配事業部総経理である王文彬氏は取材に対し、今年は「農村タオバオ」(農村の拠点を増やすアリババの戦略)にとって最初の「独身の日」であり、取引量が30倍に増加すると予測している。申通宅配便の運営副総裁である熊大海氏は、末端市場の配達業務を強化するため、今年の同社は「独身の日」期間中、全国の三級サービスステーションを200か所以上増設すると話す。
宅配企業のもうひとつの武器は「望遠鏡」だ。「独身の日」のためにCainiaoが提供する物流軽快レーダーである。王文彬氏は、「昨年の我々が把握していたのは、どの宅配企業が、どのラインで、どの程度の貨物を持っているか、ということだけだった。今年はビッグデータ分析を通じ、全てのターミナルセンターと末端でどのくらい貨物があるかが分かる。今年の予測は、すでに2回にわたって各宅配企業に報告済みだ。1つは昨年の『独身の日』のデータを使った予測。もう1つは今年9月以降の購買ピーク時のデータを使った分析予測だ」。倪根炎氏も「過去の失敗の主因は、具体的数量が分からなかったことにある。予測に基づく物流データの精度は90%以上だ」と述べる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月31日