世界最大手の格付け機関・スタンダード&プアーズ(S&P)は3日、中国の経済成長が減速する一方、消費の寄与度はますます拡大しているとの見解を示した。経済成長の下押し圧力対し、消費財、小売り、科学技術・通信といった業界の抵抗力は、工業やほかの資源型産業より強くなっていると指摘した。
S&Pは売上規模、債券発行規模、時価総額を基準に、中国の大手企業200社をリストアップ。同200社への調査によれば、業界によって財務状況は異なる傾向がみられている。消費財、自動車、電気通信などの中国企業は財務指標が外国企業よりも優れており、科学技術、製薬、小売りはほぼ同水準という。
S&P企業信用格付けシニア董事・盧文正氏は、「経済成長は鈍化しているものの、こうした業界の企業は資源や不動産開発企業などに比べ、格下げの可能性はより小さい。消費、サービス業関連の企業は、経済成長の減速による衝撃に耐える力が強いことが分かる」と分析した。