中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議(五中全会)で採択された「第13次五カ年計画(2016~20年)の策定に関する中共中央の提言」は、新しい時代を歩む中国の経済、政治、文化、社会発展、生態文明など様々の分野のロードマップを示した。第13次五カ年計画期間中におけるグリーン産業の青写真を描き、グリーン産業を成長エンジンとする新たな商機を育む。
「小康社会」の全面実現に向けて、向こう5年間で生態・環境の全体的な質の改善も目標の一つ。環境汚染対策において、環境の質の改善を最重要課題に据え、もっとも厳格な環境保護制度を実行する。省レベルの環境保護機関によるモニタリングと法律執行という垂直型管理制度を導入し、大気、水、土壌汚染の防止・改善を徹底する。「山、水、林、農田、湖」の生態保護と回復に取り組み、国土緑化を推進。天然林の保護、港湾の環境改善を進める。環境保護と汚染対策は、過去の受身的な管理から、積極的で全面的な管理へ転換しつつある。
向こう5年間にわたり、生態・環境保護は経済、社会発展のさまざまな分野へ浸透する。特に、経済の「新常態」(ニューノーマル)時代を迎えるなか、資源の利用方式を変え、低炭素・循環型社会の構築は、生態・環境保護と経済の安定・成長につながる一石二鳥の良策だ。このため、新興産業、循環型経済、グリーン経済・産業、グリーン生産体系が経済と社会発展の新たなけん引役になる。
第13次五カ年計画期間中に、汚染対策と省エネルギー・環境産業の発展に注力する国の方針を背景に、環境保護分野で投資の大幅な拡大が見込める。17兆元にも上る巨額の投資は、環境産業に新たな発展のチャンスをもたらす。第13次五カ年計画で、省エネと環境保護は引き続き政府の重点投資分野と位置付けられている。また、すでに実行されている「大気汚染防治行動計画」(大気十条)、「水質汚染防治行動計画」(水十条)と近く発表される「土壌汚染防治行動計画」(土十条)の推進につれ、環境産業の市場需要が拡大し、政府投資と社会資本の流入がさらに加速しそうだ。