(5)C919はいつ商業運航をスタートできるの?
中国民航大学の李暁津教授は、「C919のオフラインから真の商業運航実現までにはテスト飛行、航空許可証の取得、航空会社とのビジネス交渉などさまざまな段階を経る必要があり、実現の時期を確定することは難しい。海外の例をみると、既存の機種を土台としてうち出された新型航空機はオフラインから3年前後で運航に投入されることが多い。だが中国の場合、中距離旅客機はまだ誕生したばかりで、運航実現にかかる時間はさらに長くなる見込みだ」と指摘する。
商業運航についていえば、C919の初フライトは2016年になるとみられる。業界関係者は、「初フライトにはまだ2~3年のテスト飛行のプロセスが必要で、さまざまな気象条件の下で何回もテスト飛行を繰り返して、やっと旅客を乗せた運航に投入できるのだ。このほか、商業運航を実現するには、国内路線を運航する航空機の場合は中国民用航空局が発行した航空機型番合格証を取得しなければならず、国際路線の場合は米連邦航空局の承認が必要だ」と説明する。
(6)C919の特徴と強みは何?
C919の副総設計士で中国商用飛機公司の科学技術委員会の常務委員を務める陳迎春さんは、「航空機の性能を決める2つの決定的要素は揚抗比と航空機の重量だ。設計段階での目標は、C919の主翼の重量はボーイングの水準を超えること、揚抗比はエアバスの水準に到達することだった」と話す。
陳さんによると、「中国の航空力学のトップレベル専門家100人からなるチームが、C919のために500種類の翼を設計し、現在C919-101号機に採用された主翼は度重なる構造テストで選ばれた優れたデザインの中からさらに選りすぐったもので、欧米諸国での風洞実験の結果は世界の同業者に高く評価され、いくつかの重要指標ではライバル機を上回った。また重量を軽くし燃料消費を減らすため、C919の600種類の部品には複合材料とアルミリチウム合金などが使用され、複合材料の使用量は機体構造の総重量の20%にあたり、主翼に使用された複合材料(チタニウム合金)は10%前後を占め、ライバル機を大幅に上回る」という。