アジア太平洋自由貿易圏を実現するための手段については、4つのソリューションがある。その1つは、TPPを柱とするルート。先進エコノミーが最も望んでいるルートだ。2つ目は、RCEPを柱とするルート。最も融通性が高く、すべてのエコノミーを包括し、各エコノミーの発展状況が異なるという現状に最も適している。3つ目は、TPPとRCEPの融合させるルート。RCEPのメンバーとTPPのメンバーは、協議により新たな自由貿易協定を形成する。4つ目は、ロシアなど、TPPとRCEPのメンバーではないエコノミーも考慮に入れるルート。そうなると、アジア太平洋地域のすべてのエコノミーは新たに協議しルールを作らなければならなくなる。
アジア太平洋自由貿易圏は、発展状況、文化背景、経済水準・規模が大きく異なるエコノミーを含んでおり、その実現にはまだ壁が高い。TPPとRCEPはそれぞれ加盟国や市場ルールが異なるが、将来的にはその融合の実現に力を注がなければならない。TPPが西洋の高い基準と高度の自由化を表わし、西洋の知恵が詰まっているというのであれば、RCEPは発展途上のエコノミーの実際の必要を考慮に入れ、段階的に自由化と便宜化を進める、東洋の知恵と言えるだろう。