◆ TPPとFTAAP
TPPに関しては、先に述べたように、TPP閣僚会合で交渉参加12カ国による大筋合意が得られ、今後は各国内での調整など早期署名・発効に向けた手続きが必要になる。
一方、FTAAPについては、大筋合意したTPPを土台として進めたいとする日本や米国等のTPP交渉参加国と、TPPとは別の枠組みとして位置付けたい中国との間での溝が埋まらず、構想の実現にはまだ高いハードルが立ちはだかっている。自由貿易を巡っては、すでに国際機関である世界貿易機関(WTO)の枠組みがあるものの、結果的には多国間での交渉の難しさが露呈していることから、二国間や地域を限定した自由貿易協定(FTA)が結ばれるようになっている。
こうした流れの中で、より広域的な枠組みとしてTPPやFTAAPといった構想が生まれてきたわけだが、結果として各国の利害や思惑が絡み合って、なかなか交渉に妥結には至らないという基本的な構図に大きな違いは見られない。
![]() |
|
![]() |