しかし汪涛氏は、「来年は人民元対米ドルレートが5%下落する」との予測を据え置いた。来年は米ドルが他の主要通貨に対して上昇する可能性があるため、人民銀行は人民元対米ドル基準値の緩やかな下落を容認する可能性があると予想する。または、人民元為替取引の許容変動幅拡大を通じて同様の効果を狙う可能性もあるとしている。
外貨準備の大幅減により、市場では人民銀行が今月中に預金準備率引下げにより流動性の供給を図るとの観測も浮上した。スタンダード・チャータード銀行中国担当の申嵐エコノミストは、資本の持続的流出により11月のマネーサプライ(M2)の伸びが鈍化し、12月は0.5ポイントの預金準備率引き下げが実施される可能性があると予想。ただし、消費者物価指数(CPI)の低下が続かない限り、追加の利下げが実施される可能性は低いとみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月8日