国家統計局工業司の江源・シニア統計師は11月の鉱工業生産の回復について、中国政府の政策支援で自動車製造業の伸びが顕著に加速したことが寄与したと分析。比較対象となる前年同期の水準が低かったことによる反動もあったとみている。
実体経済の回復が投資マインドを後押ししている。1-11月の固定資産投資の伸び率は1-10月から横ばい。14年下半期から続いた伸びの減速に歯止めがかかった。
長年にわたって、中国で不動産、製造業、インフラが固定資産投資の三大重要分野。不動産開発投資の伸びが鈍化するなか、「インフラや製造業の投資の加速が、全体の伸び率を押し上げた」と、国家統計局投資司の王宝浜は分析している。1-11月でインフラと製造業の投資はそれぞれ18.2%増、8.4%増となり、1-10月を0.8ポイント、0.1ポイント上回った。とりわけ、製造業投資では装備製造と消費財製造の伸び率が上昇。また、新規着工プロジェクトの計画投資額は7カ月連続で伸び率が拡大しており、実行ベースでもここ2カ月は小幅に上昇。こうした先行指標から、今後の投資は改善が続くと判断できる。