張向晨氏は、中国企業は海外進出の歩みを速めていると指摘する。年初に決められた、対外直接投資の年間増加率を10%前後にするという目標は、それ以上の数値で達成できる見込みだ。同氏によると、2014年の中国の対外直接投資は2002年の45.6倍に達した。この急速な伸びは今後も続き、また、非国有企業の海外進出の勢いも加速しているという。これは中国の発展段階と関係している。中国は資本輸出の段階に到達したため、今後5~10年は比較的高い対外投資増加率を維持するだろうと同氏は見込む。
ただし、中国企業の対外投資には問題もある。商務部欧州司副司長の馬社氏は、中国企業が対外投資を行う際、製造業、科学技術研究開発、情報技術サービスなどのハイテク系や高い知識を要する産業の割合はあまり大きくないことを指摘する。現在、中国企業の対外投資の利益はさほど芳しくない。中国企業は、国を越えての経営能力やイノベーション、ビジネスモデルなどが不足している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月15日