中国共産党中央政治局は14日の会議で、2016年の経済活動について分析・検討を行った。会議では、現在の中国経済のカギを握る問題について一連の的確な具体的措置が提議され、「第13次5カ年計画」(十三五、2016~20年)スタートの年にふさわしい経済活動に関する重要な方向性が示された。
(1)構造改革の強化に注力
来年は「小康社会」の全面的実現に向けた正念場となる5カ年計画が始動する年だ。会議では、経済運営を合理的な区間内で維持しつつ、構造改革の強化に注力することが強調された。また、総需要を適度に拡大するとともに、供給体系の質と効率の向上を図る。
「経済成長の『新常態』に適応し、新たな条件下での需給の一致と均衡を目指す。一方では、経済運営が合理的な区間内で推移できるよう、必要とされる需要の伸びを維持、構造改革に必要な条件を整える必要がある」。国務院発展研究センターの張立群研究員はこう指摘する。「もう一方では、『穏』(安定)を保ちつつ、経済成長の『進』(進展)を促進、供給サイドの改革を強化する。制度改革により新たな需要と供給を創出し、経済の中長期的な成長維持に向け新たな原動力を注入する必要がある」としている。
(2)「創新」(イノベーション)を推進力とする発展戦略の深化
「創新駆動戦略」(イノベーションを推進力とする発展戦略)を深化させ、「大衆創業、万衆創新」を推進、発展の原動力と活力の増強を図る。2016年は「創新駆動」が中国の経済発展のキーワードとなる。
「中国の『大衆創業、万衆創新』の機運は徐々に醸成されつつある。しかし個人や企業が主体となるイノベーションへの積極性を引き出すには、産業、学校、研究機関が力を合わせて全体の生産効率を引き上げる必要がある。また、供給サイドの構造改革を推進するには、多くの制度面での改革が必要となる」。アジア開発銀行中国代表処の庄健シニア・エコノミストはこう指摘した。