中国社会科学院経済学部、中国社会科学院科研局、中国社会科学院数量経済・技術経済研究所、社会科学文献出版社は16日、2016年『経済青書』を共同で発表した。16年の中国経済成長率が6.6~6.8%増と予想。金融政策については構造的な緩和の継続を提案している。
『経済青書』は、世界経済が15年初以来、緩やかな回復傾向を維持しながらも、成長率が予想を下回っていると指摘。また、世界貿易の伸びは国際金融危機以降で比較的低い水準にとどまっているとの見方をしました。
これを踏まえ、15年の中国の経済成長率は7%前後で、経済成長が合理的なレンジで推移すると予測。◇産業構成の合理化が進み、投資の伸びは持続可能なペースに回帰し、消費は全体的に安定した水準で拡大している、◇貿易の伸び率が鈍化するとともに、貿易黒字は引き続き拡大する、◇CPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)のかい離が顕著になり、国民の可処分所得は安定したペースで増加する--との見方を示した。
中国経済は「新状態」(ニューノーマル)時代に入っている。構造調整の加速につれ、潜在的な成長率は縮小傾向。世界貿易は低成長が続き、外需が弱含む。国内で投資がすでに規模が大きいため、伸び率でみると拡大は鈍化傾向。一方で、消費は安定成長を確保できる。こうした状況から、◇16年の中国GPD(国内総生産)成長率は6.6~6.8%、◇CPIは2.1%増、食品とエネルギー価格を除いたコアCPIは1.9%増、◇PPIは3.7%減--と予測した。