年末を前に、中国の国有企業改革の推進が再び加速している。国有重点大型企業監事会の季暁南主席は先ごろ、「市場競争型」産業を主力とする「商業類」の国有企業については、原則としてすべて株式制性改革を実施する必要がある、との見解を示した。また、来年は国有企業改革をめぐる10項目の試行案が実施される予定だ。具体的には、◇董事会(取締役会)による意思決定の尊重、◇市場原理に基づく経営幹部の選任、◇報酬分配制度改革、◇国有資本投資運営会社の設立、◇中央企業の買収合併・再編、◇重要分野の混合所有制改革、◇混合所有制企業の従業員持株制度、◇国有企業の情報開示、――など。国有企業改革は来年も引き続き、重要課題として進展が注目される。
上海国有資本運営研究院の羅新宇秘書長は、中国証券報の取材に対して、「2016年は国有企業改革の『実りの年』になる」との見通しを示した。改革については、◇国有資産管理制度改革、◇混合所有制の推進、◇国有企業の報酬・インセンティブ制度の整備、◇国有企業の合併再編の加速、――の4つが重点になるとみている。具体的な内容は次の通り。
(1)国有資産管理制度改革
国有企業の分類に基づく監督管理、権限リスト制度などの分野について打開策を見出す。特に「企業の管理」から「資本の管理」へのモデル転換を推進し、国有資本投資運営会社を資本管理の重要な推進力とする。
(2)混合所有制の推進
株式交換や資本構成の多様化を通じ、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の健全化、国有企業の市場化を目指し、市場原理に基づくインセンティブ制度構築の足掛かりとする。