多くの国が高速鉄道を欲しがっている。経済発展の象徴になるものだからだ。しかし本当に高速鉄道を建設するにふさわしい国は少ない。高速鉄道を作るためには、少なくとも2つの所得水準が高い大都市が必要だ。さらにその2つの都市の距離は、遠すぎても、近すぎてもいけない。台湾は今のところ唯一、日本の新幹線を導入した経済体である。しかし大きな赤字を出し続けている。
北京交通大学の趙健教授は、「高速鉄道を必要とする海外市場はそれほど多くない」と指摘する。タイを例に挙げると、バンコクに匹敵する2つ目の大都市をどれにするかが問題となる。ベトナムでは、ハノイとホーチミン市が大都市だが、両都市間の距離1160キロでは、航空運輸との競争に勝てそうもない。
中国と日本は共に、融資面で優位に立とうと最大限努力している。「日本は高速鉄道の建設で多くの経験を持つ」と、上海同済大学の鉄道研究者である孫章氏は述べた上で、「しかし、我々は過去12年間で10800キロの高速鉄道を作った」と指摘する。「我々にはより大きな生産規模と、より安価な労働コストを擁する。我々の高速鉄道に価格的優勢がある」。一方の日本は、新幹線の安全記録を強調する。新幹線は長期的にはコストパフォーマンスが高いとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月4日