上海総合指数の日足チャート
中国本土A株市場で2016年最初の取引となった1月4日、値動きが制限幅を超えると取引を停止する「サーキットブレーカー」制度が初めて発動された。4日は同制度の導入初日でもあり、市場予想よりやや早いタイミングでの発動となった。
サーキットブレーカー制度は、上海、深センの両市場に上場する有力300銘柄で構成する「CSI300指数」の変動幅が、前営業日終値比で5%上下した場合に15分間、7%上下した場合はその日の取引を停止する。4日は同指数の変動幅が両制限値に達し、市場ではパニック的な売り注文が殺到。多くの銘柄がストップ安となり、投資家心理に打撃を与えた。
4日は午後に「CSI300指数」が5%超の急落となり、13時12分にサーキットブレーカー制度が初めて発動、すべての株式の売買が15分間停止された。取引再開後は再び売り注文が殺到し、13時33分に指数の下落率が7%に達した。4日の売買は全面停止となり、通常より早くこの日の取引が終了した。上海総合指数の終値は前年末比6.85%安の3296.26ポイントと3300ポイントを割り込み、2カ月ぶりの安値を付けた。深セン成分指数は同8.20%安の11626.04ポイント、中小板指数は8.23%安、創業板指数は8.21%安で引けた。2808銘柄のうち下落率が9%以上に達したのは2001銘柄に上った。株価指数先物についても取引開始以来最大の下げ幅を記録、サーキットブレーカー制度が発動し、通常より早い取引終了となった。上海・深セン両市場の時価総額は58兆4400億元から54兆2000億元に急減し、1日で4兆2400億元が消失した。