中国の高速鉄道
マレーシアのナジブ首相が政権維持に向けて中国頼みの姿勢を強めている。「参考消息網」が5日、日本メディアの報道として伝えた。
ナジブ首相は巨額債務を抱え政権のアキレス腱(けん)となっている国営投資会社「1MDB」の資産を中国国有企業に相次ぎ切り売りし、資金繰り難による経営破綻の回避に道筋をつけた。中国に「借り」を作った格好で、南シナ海問題を巡る議論や高速鉄道の発注に影響を与えそうだ。
4日の日経新聞によると、1MDBは31日、クアラルンプールで不動産再開発を手掛ける子会社「バンダー・マレーシア」の株式60%を中国の国有鉄道建設、中国中鉄(CREC)とマレーシア企業で構成する企業連合に売却すると発表した。売却額は74億リンギ(約111.3億元相当)。CREC連合の提示額は資本提携に手を挙げた40社の中で最も高かったもようだ。企業連合は首都中心部の再開発に参画する。
中国国有企業への1MDB資産売却はこの1カ月余りで2回目だ。2015年11月下旬には原子力大手、中国広核集団(CGN)に発電子会社の全株式を譲渡した。売却額は98億リンギ(約147.4億元相当)。