同社は中国への資産切り売りで得た資金を負債の圧縮にあてる。首相の資金疑惑は収束していないが、借金返済が滞って経営破綻に陥る可能性は大きく後退した。
中国による相次ぐ資産購入の背後には2つの狙いが透ける。1つはマレーシア、シンガポール両国政府が進める高速鉄道受注への布石だ。CRECが参画する再開発予定地には高速鉄道の発着駅が建設される。2国間にまたがる高速鉄道は日中の企業が受注を競う。
中国のもう1つの狙いは米中間の緊張が高まる南シナ海紛争での支持取り付けだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)は中国の一方的な海洋進出を警戒し、米国との連携強化を目指す動きが目立つ。マレーシアは「中立」を保ってきたが、最近は対中けん制に同調する場面もあり、ナジブ政権に恩を売ることで対中批判の拡大を抑えたい思惑も透けるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月5日