ハードロックのねじは緩むことがない。構造は通常のねじよりかなり複雑であり、コストも高い。販売価格は普通のねじより30%高かった。だから当初はそれを買う顧客がいなかった。しかし若林克彦氏は決してあきらめなかった。会社の売上がないとき、彼は他の仕事をすることで会社を維持し続けた。
若林氏が苦しんでいた頃、日本のある鉄道会社も悩みをかかえ苦しんでいた。ハードロックのねじは、その鉄道会社に認められ、共同開発することになった。その後、JRを含む数多くの鉄道会社がハードロックのねじの採用を決めた。新幹線では全面的に使われることになった。ここに至るまで、若林氏は20年の歳月を費やしたのだった。
「匠の精神」の核心とは
「匠の精神」の核心とは、仕事を金儲けの道具にせず、仕事に執着し、業務や製品に磨きをかけ、仕上げていく精神である。多くの日本企業では、「匠の精神」が文化的、思想的な価値観として共有されている。これによって企業の内発的エネルギーが育成されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月8日