AIIBは中央アジア諸国からも注目されている。タジキスタンは国土の大部分がパミール高原にあり、交通や経済の面で遅れが目立つ。資金不足でインフラ整備も遅れ、以前から電力問題がネックとなっている。数年前までは首都ドゥシャンベの中心部でさえも、冬期の電気供給は1日5時間に限定されており、医療機関などの緊急電源も確保できていない。郊外や農村地域は、基本的に電気が通っていない状態だ。AIIB設立後は、中央アジアの電力インフラに公平で利便性の高い資金調達ルートが整備される見込みだ。
カザフスタン大統領財団世界経済・政治研究所のアキンベコフ所長は、中央アジアのインフラ整備について改善が待たれているが、AIIBにより資金不足問題が大きく改善する見込みだと指摘。AIIB開業は、アジア各国の相互連携、中国とその他のアジア諸国との経済協力にポジティブな影響をもたらすとの見方を示した。カザフスタンのナザルバエフ大統領など中央アジアの指導者はいずれも、AIIBの果たす役割を高く評価している。
AIIBはアジアの貧困支援にも重要な意義を持つ。韓国貿易協会の李鳳傑首席研究委員は、「AIIBは、アジアの経済成長、インフラ整備と投資を支援し、貧困問題の解決に直接的、間接的な役割を果たすほか、関連諸国の経済成長をも促す」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月16日