写真:中国石化集団中原石油とサウジアラムコのスタッフ、サウジアラビアの石油プラットフォームの前で撮影
習近平国家主席は現在、サウジアラビア、エジプト、イランの中東3カ国を歴訪中だ。中国商務部が20日に発表した3カ国との経済貿易協力情況を見ると、今後の見通しは良好で期待できることがうかがえる。
■中国-中東の貿易協力は良好な見通し、全体の流れに逆行して成長
商務部のまとめでは、2015年1-11月の中国-サウジアラビア間の貿易額は476億6000万米ドルで、うち中国からの輸出額は前年比6.4%増の197億5000万米ドルだった。中国の2015年貿易額全体に照らすと、大変貴重な数字だといえる。海関総署(税関)の統計によると、2015年の中国輸出総額は2兆2800億米ドルで、前年比で2.8%減少した。中国の対外貿易全体に下押し圧力が高まる中、中国-サウジアラビア間の貿易は安定的に推移している。
エジプトとの貿易協力には、さらに良好な動きが見られる。エジプトは中国にとってアラブ諸国第5の投資対象国だ。2015年11月までの中国の対エジプト直接投資残高は6億9000万米ドル、2国間の貿易額は前年比10.4%増の116億4000万米ドルに達する。うち、中国の輸出額は12.2%増の107億5000万米ドルと目覚ましい内容だ。
昨年は中国の対外貿易全体が減速したものの、サウジアラビア、エジプトとの貿易協力はその流れに逆行して良好な動きを見せた。世界経済の成長が鈍化するなか、中東諸国との貿易協力は中国の対外貿易の新たな下支えとなる見込みで、今年も期待できる。
イランは中国にとってこれまで、中東での重要な貿易相手国だった。昨年は両国間の貿易協力がやや減速したものの、伝統的な友好関係があるため、経済上には相互補完性があり、今後の協力についても大きな潜在力がある。これらを踏まえると、両国の経済協力の未来には大きな成長の余地があるはずだ。
■地域協力の強化が貿易成長を促進
地域協力の強化も、中国と中東諸国との貿易の発展に重要な意義を持つ。サウジアラビア、エジプト、イランはいずれもアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーであるほか、サウジアラビアとエジプトは「一帯一路」構想の重点国家だ。AIIBはすでに開業、「一帯一路」計画も良好な滑り出しとなっており、中国と中東諸国との貿易協力に好機をもたらす。これはまさに商務部の高虎城部長が述べたように、「一帯一路」計画とAIIBは中国の対外開放の新たな枠組みにとって重要な駒となる。
中国とサウジアラビアは、中国-湾岸協力会議(GCC)FTA交渉の再開を高く評価し歓迎。自由貿易区の早期建設にも賛同している。
エジプトでは、中国とエジプトが共同建設したスエズ経済貿易協力区が長年の発展を経て、中国企業の対エジプト投資の良好な受け皿となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月21日