米国のサイエンスウェブサイトが20日に伝えたところによると、中国をはじめとするアジアの国々が科学研究への資金投入を加速しており、そのペースが米国を遥かに上回っている。米国国立科学財団(NSF)はこのほど発表した「科学・工学指数2016」リポートで、アジアの科学研究投入が世界全体の40%を占めていることについて詳しく紹介。こうした分野への投入をめぐって米国で方針が定まらないなか、アジアの台頭に米国の優位性が脅かされているとの見解を示した。
同財団のケルビン・ドログマイヤー副理事長は「こうした競争に米国は如何に対処すべきか」と投げかけ、危機感を露わにした。世界の研究・開発投入をみると、米国は全体の27%を占め、依然として首位に立つ。ただ、中国との差は縮まっている。中国が占める割合は20%に上昇しており、「言うまでもなく、中国は世界第2位の研究開発投入大国だ」とドログマイヤー氏は評価。03年~13年にわたり、この分野で中国の投資は大幅に増加し、年平均伸び率が19.5%に達している。