このほど中国の著名な経済学者である厲以寧教授がインタビューに応じ、2016年の中国マクロ経済の動向について判断を下した。
・新常態を迎えたマクロ調整の舵取りは?
厲氏:新常態に適応するためには、構造の持続的な調整、経済方式の漸次的な変化に適応する必要があることを認識しなければならない。これはある程度、市場の法則によって決まる。経済が市場化の道を歩むためには、マクロ経済調整も必要になる。この二つは矛盾しない。主な手段は、変化だ。マクロ調整の方法は今後、政府の力と結びつかなければならない。政府の一つ目の力は法執行、法に基づく国家統治だ。二つ目の力は経済の基本的な安定の維持だ。それから政府のマクロ調整は指導、計画の力を発揮する。
緊急事態でなければ、過度な調整措置を講じる必要は通常ない。マクロ調整は今後、微調整、事前調整、特定分野の調整を重視すべきだ。微調整とは軽度の調整のことだ。事前調整とは問題が生じようとしていることを発見次第、事前に予防措置を講じることだ。特定分野の調整とは構造的な調整のことで、むやみに取り組むのではなく、的に向かって矢を放つ。問題があれば、その問題を解消するのだ。
・供給側の調整は中期的な調整、脆弱な業界への投資を拡大
――中央経済工作会議は、今年および今後一定期間に渡り、全体的な需要を適度に拡大すると同時に、供給側の構造改革の強化に力を入れると打ち出した。供給側改革はどの面から取り組むべきか?