・供給側の調整は中期的な調整、脆弱な業界への投資を拡大
――中央経済工作会議は、今年および今後一定期間に渡り、全体的な需要を適度に拡大すると同時に、供給側の構造改革の強化に力を入れると打ち出した。供給側改革はどの面から取り組むべきか?
厲氏:経済運行において、需給バランスの問題を常に念頭に置かなければならない。需要側からも供給側からも調整が可能だ。我々はこれまで需要の調整が中心と強調してきたが、現在は供給側と需要側の2つの面からの調整を同時に推進しなければならない。需要側の調整は短期間内で実現できる。主に財政収入の拡大、金融刺激策、もしくは財政収入と貸付の減少による需要の抑制だ。供給側の調整は中期的な調整であり、短期間内に奏功するものではない。
供給調整が主に関連する問題は、構造調整だ。構造調整には通常、4つの内容がある。まずは産業の構造調整だ。一部の産業はすでに時代遅れになり低迷しているが、原材料やエネルギーを消費している。二つ目は地域経済の調整だ。地域経済構造は長年に渡り形成されたもので、うち一部は未来の経済発展にとって不利である。貧富の格差の拡大が消費に影響をおよぼすといったケースもある。そのため地域の調整は中期的な取り組みとなる。三つ目は技術の構造調整だ。四つ目は資本の構造調整だ。人的資源の構造調整は注目されていなかったが、その後重視されるようになった。すべての国の労働力の状況は、時代の発展に伴い変化する。これまでは低賃金の労働力が重視されていたが、現在は新たな労働力が必要となっている。
供給側改革の重点は、脆弱な業界への投資拡大だ。これらの業界への投資を拡大しなければ、革新は話にならない。革新には実験の繰り返しが必要だ。その過程において、さまざまな困難と失敗に直面することになる。そのため政策面からこの過程にあるイノベーターを支援するべきだ。これには例えば減税・免税、スペースの提供などが含まれる。これは中国にとって、供給側改革の重要な取り組み内容だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月21日