中国の経済成長が鈍化し、労働力コストが上昇するなか、外資系企業は依然として対中投資に力を入れている。中国商務部外資司の唐文弘司長は先ごろ、2015年に世界500強入りした多国籍企業が中国での企業設立を継続しており、追加投資の可能性もあると指摘。多国籍企業が中国市場と対中投資の先行きに期待していることがうかがえるとの見方を示した。
中国美国商会(AMCHAM China)は最新リポートで、多くの外資系企業が中国市場の成長潜在力について楽観的な見方を維持していると指摘。専門家によると、外資は中国経済のポテンシャルと市場に潜む巨大な商機に明るい見方を持っている。中国での外資系企業は今後、戦略を調整するとともに技術の実用性を高め、中国経済の「新常態」に適応、中国の優位性との相互補完を実現する必要があるとしている。
■2015年、世界上位500企業が積極的に追加投資
改革開放初期と比べ、外資系企業は中国での収益を求める圧力が高まっているが、中国への投資熱はまだ冷めていないようだ。商務部の統計によると、2015年に世界500強入りした多国籍企業の対中投資は飛躍的に伸びており、対象業界は自動車・部品、石油化学、エネルギー、インフラ、バイオ、医薬、通信、金融、ソフトウエアなど多岐に渡る。
AMCHAM Chinaが発表した「2016年度中国ビジネス環境調査報告」によると、多くの外資系企業が中国市場の成長潜在力について楽観的な見方を維持している。他の発展途上国市場と比べ、中国は引き続き企業の投資対象上位に位置し、全体の60%の企業が中国を重点投資対象上位3カ国に選んでいる。