中国人客の海外旅行中の「爆買い」が、1年に渡り物議を醸している。国内の多くの業界で生産能力の余剰と在庫が膨らむ一方で、観光客が海外で商品を爆買いしている。これは国内市場の需要と供給のミスマッチを示している。
このようなミスマッチには、多くの具体例がある。例えば一部の企業はモノが不足した時代の方針を続け、生産能力と企業を拡大し、さらにコスト削減によりコストパフォーマンスをつけようとしている。だが「数が多く低価格」は、とっくに消費者の主なニーズではなくなっているかもしれない。消費者は高品質で手の込んだ、ブランド文化を持つ中身の豊かな商品を求めており、そのために大枚をはたくことも厭わない。
供給側改革の目標は、現在の「需給のミスマッチ」の解消だ。市場の需要との連動は、改革の基本的な原則であるべきだ。現在の市場条件下、消費者の抑圧され発散できない需要は、供給側改革が優先すべき突破口だ。供給側の体制・メカニズム、要素の配置、奨励制度の改革により、効果的な供給を形成し、抑圧された需要を満たす。このようにすれば、供給側改革は直ちに効果を発揮し、より広い分野の、より深いレベルの改革・措置をけん引することだろう。
消費者の抑圧され発散できない需要はどこにあるのだろうか?それは海外で爆買いしている中国大陸の観光客を見れば、すぐに分かることだろう。安全な食品(特に離乳食)、高品質で手の込んだ、性能の優れた家電や日用品。それから良好なブランドイメージを持ち、文化的に豊富な中身を持つファッション商品などには、市場の大きな需要が存在する。
一般的な商品の需要のほか、切実な国民生活の需要も、供給側改革の突破口になる。人々は長年に渡り、質の高い医療・衛生サービス、質の高い教育資源の切実な需要を持っており、国民生活の注目の話題となっている。これらの需要は経済の範疇外だが、大きな経済効果を持つ。例えば医療・衛生、さらにはより広範なヘルスケアや介護サービスなどの分野で、供給側が行政の独占と政策の壁を打破し、要素の流動を促し、資源の配置を改善し、効果的な供給を形成したとする。そうすれば人々の医療・健康・介護の需要を満たすと同時に、一連の業界・産業の発展と拡大を促進できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月22日