中国を空売りする者は、自らを空売りすることになる。ソロス氏は東南アジアの金融市場の空売り成功に気を良くし、巨額の資金を持ち香港を訪れ、香港株式市場の空売りを試みた。ところが中央政府の支持を受けた香港政府の強い阻止にあい、最終的に大きな損失を抱え、香港からの敗走を余儀なくされた。中国の外貨準備高は1998年の時点で1500億ドルのみだったが、現在は3兆3000億ドルで世界一になっている。ソロス氏も、「中国には資源があり、大半の国よりも政策の余地が多く残されている」ことを認めざるを得なかった。30数年に渡る改革開放の歩みは、中国の空売りを試みる者は、勢いに逆らい利益を得ることは難しく、最終的には日々向上・繁栄する大国と共に成長する機会を失うことになると証明している。
中国には経済の過熱を抑制し「ソフトランディング」を実現する成功経験と、景気低迷を克服し安定成長を維持する成功経験がある。国内のさまざまな困難を克服し、さまざまな国際的なリスクに効果的に対応した。これは13億人以上の人口を抱える発展中の大国、市場化が急速に進む経済体である中国にとっては奇跡と言える。これは中国の特色ある社会主義の経済・政治制度の独自の強み、国家マクロ調整の大きな威力を十分に示している。