日銀の措置 ">
日本銀行はこのほど、金融機関が保有する日銀当座預金を3段階の階層構造に分割し、16日からそれぞれの階層に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用すると発表した。マイナス金利は日銀口座に眠る余剰資金が適用対象。為替相場を円安方向へ誘導し、量的質的金融緩和(QQE)で増加したマネーが実体経済に流れるのを促す狙いだ。
マイナス金利の導入は市場を驚かせた。発表を受けて日本円売りが加速し、円安ドル高が進んだ。一方、今回の措置は萎縮し続ける日本経済を救いことはできず、さらにその悪影響が広範囲に及ぶとの見方が浮上している。
政策ツールの枯渇が、マイナス金利の導入に踏み切った主因とみられる。日本版QQEの中核は日銀による国債の買い入れで市場のマネーサプライを増やすことだ。足元で日銀が保有する国債残高はすでに300兆円規模に膨らみ、うち8割以上が長期国債。国債保有額の国内総生産(GDP)比が60%を上回り、20%前後で推移する欧米中央銀行に比べ突如している。さらに、日銀は保有残高が年80兆円のペースで増加するよう買い入れを継続し、政府の国債新規発行枠とほぼ同じだ。日銀の金融政策に手詰まり感が出ている。