このところ中国経済の成長鈍化について先行きを懸念する見方が広がっているが、ワシントンの複数の著名な中国経済専門家は、「中国経済は既定のペースで着実に成長する」との見通しを示した。成長ペースは鈍化しているものの、世界経済が低迷するなか、その寄与度は極めて高いとしている。
ピーターソン国際経済研究所のJan Zilinskyフェローは、西側の一部の主要メディアが近頃、「2015年の中国GDP成長率は25年ぶり低水準」という点を突いて記事を書きたてているが、「このような論調は中国の経済成長に対する不適切な反応だ」と指摘。これでは「中国が経済成長率を7%程度で維持するという目標を実現した」という重要な情報は伝わらないとの見方を示した。
中国経済の成長鈍化を招いた要因としては、労働力コストの上昇や、サービス業を原動力とする成長モデルに転換するためのリバランス戦略などが挙げられる。しかし、これらの変化は当然のことで原因もはっきりしており、望ましい変化だとも言える。また、中国経済は成長が鈍化しているものの、成長ペースは依然として目覚ましいとしている。