外資は中国の経済発展において重要な力を発揮している。2015年末までに中国で設立された外資系企業は、累積で約83万社となった。外資系企業は中国の対外貿易の約2分の1、工業生産額の4分の1、都市部の雇用の7分の1、税収の5分の1を創造している。経済のモデルチェンジ・アップグレードの状況下、外資の産業構造および分布にはどのような特徴があるだろうか?
設立から22年が経過する蘇州工業園区は長期的に、主に製造メーカーを誘致してきた。園区経済発展局の韓江局長は、「2010年より、契約ベース外資導入額のうち、サービス業が製造業を上回っている。今年のサービス業は6割を超えている」と話した。
文化・創意、研究開発・設計などを含むサービス業の外資導入額が増加を続けており、中国の外資構造の発展の新傾向となっている。
サービス業が占める比率は2011年に初めて製造業を上回った。サービス業は5年連続で外資導入の「チャンピオン」業界になり、2015年には61.1%に達した。
中国米国商会が1月に発表した経営環境調査報告書によると、調査対象となった496社は全体的に見て、中国市場の成長を楽観視した。うちサービス業の4分の3の企業がこれを楽観視した。
中国国際経済交流センター研究員の王暁紅氏は、「サービス業の外資導入の高度成長は、中国のサービス業への外資進出に関する規制緩和によるものだ。これはまた、中国が低コスト・優遇策で外資を誘致する段階がほぼ終了し、質向上の新段階に入ったことを反映している」と話した。
製造業が占める比率が低下すると同時に、ハイエンド製造業の比率に上昇傾向が見られる。ハイテク製造業の外資導入額は2015年に9.5%増加し、製造業の外資導入額に占める比率は23.8%に上昇した。
注目すべきは、製鉄、コンクリート、電解アルミ、造船、フロートガラスなど伝統的な製造業の外資流入がほぼ「ゼロ」となっており、外資産業チェーンがローエンドからミドル・ハイエンドに移る傾向を示していることだ。多くのグローバル企業が事業展開を加速し、中国で研究開発センター、物流配送センター、決済センター、財務センター、本部などを設立している。