人が帰る前に年貨(正月用品)が家に届く。中国でオンラインショッピングの宅急便サービスを利用して「先に年貨を家へ送る」のが流行った。
春節を迎えて電子商取引業者が相次いで行う「年貨セール」は、消費者のわがままな買い物ニーズを満たし、人より先に年貨を家に送り届ける。これを「荷物経済」と呼ぶ人もいる。アリババと第一財経商業データセンターが共同発表した中国年貨ビッグデータリポートによると、アリババの年貨セール期間の注文のうち13.66%が大規模な移動を伴い、約2億8000万件の年貨が申年の春節輸送ラッシュに加わった。
アリババの年貨セール期間に、貴州辣椒醤は5時間で8万本、大別山黒豚肉は9時間で2トン、蘇北地鶏卵は2時間で3万個、洛川リンゴは11時間で18万斤が売れた。地域の特産物のなかには香港や海外に販売されたものもある。
業界関係者は、年貨セールが中国農村部の消費高度化や都市部との格差縮小を実現するのみならず、経済の減速圧力が比較的大きいなかで内需をけん引することも可能との見方を示した。
国外旅行を中心に、観光も春節消費の主力となった。国家観光局や主要オンライン旅行会社のデータによると、観光地として熱帯・海岸の人気が高まり、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどの旅行商品が急増した。香港・マカオ・台湾や日本、韓国などの伝統的な近距離観光地も依然として人気を博す。
また、観光の質に対する要求も高まっている。携程旅行網の分析によると、2016年の春節旅行で、高級ホテル(4-5ツ星)の需要が想定を大きく上回り、国外の高級ホテル予約が占める割合は全体の6割超、国内は53%に達した。昨年の春節では、国外高級ホテルが51%、国内が35%にとどまっていた。