中国人民銀行(中央銀行)、国家発展改革委員会(発改委)、工業情報化部、財政部、商務部、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)、中国証券監督管理委員会(証監会)、中国保険監督管理委員会(保監会)の中政府八部門はこのほど共同で、「工業の安定成長と構造調整、効率向上に向けた金融支援に関する若干の意見」(以下、意見)を共同で発表した。一連の金融支援措置により、工業のモデル転換と高度化、コスト削減と効率向上を目指す。
今回の「意見」は、1月末に国務院常務会議で提起された「金融ツールの活用とイノベーションを通じ、工業の効率向上と高度化を支援する」という方針に基づく具体的措置だ。「意見」では、次にあげる6つの具体的な金融措置が明らかにされた。◇貸出支援の強化と良好な金融環境の整備、◇資本市場、保険市場を利用した工業企業支援の強化、◇工業企業の資金調達システムの刷新、◇工業企業の合併再編促進、◇工業企業の海外進出加速化の支援、◇リスク防止の強化と協調――など。
「意見」では、旧式生産能力の削減を断固として進める方針が一段と明確になった。これとともに、各種の資金調達方式に関する適切な「要件」を設け、優良企業の選別に向けた仕組みを整備する。工業企業向け貸出の差別化政策を進める方針も明らかになった。金融機関は、「有扶有控」(重点成長分野を支援する一方で、健全な経済運営の阻害要因を抑制する)という原則に則り、鉄鋼、非鉄金属、建材、船舶、石炭などの産業について、競争力・市場・経済効果のある優良企業に対して貸出支援を継続し、将来性の高い企業が難局を乗り切れるよう問題解決を助ける。企業が余剰生産能力について積極的かつ妥当に解消できるように支援する。このほか、生産能力過剰が深刻な産業で合法的な手続きが採られていない新規プロジェクトについては、一律に与信枠を付与することを禁止する。長期に渡る赤字で債務返済能力も市場競争力も失った「ゾンビ企業」や、環境目標・安全基準を満たさず改善の見込みもない企業、生産設備が老朽化した企業については、関連債務を圧縮し撤退を進める。