エアバスの主要競争相手のボーイング社も中国に工場を建設する。昨年9月、中米両国が合意に調印し、ボーイングは中国商用飛機有限責任公司と提携して中国に「737」機の組立センターを建設することになった。同センターでは主に737機の内装、塗装、引渡を行い、製造ラインに続く段階を担う。ボーイングが海外に工場を建設するのはこれが初めてで、海外民用航空機メーカーが中国に引渡センターを建設するのはこれが2例目だ。ただ現在、建設の具体的な場所や時期については話が進んでいない。
▽チュグオクは世界最大の旅客バイヤーに
巨大航空機メーカーが航空機製造の最後のプロセスを中国で行おうとするのはなぜか。このほど閉幕したシンガポール・エアショー2016から答を導き出すことができる。
ボーイングが同ショーで行った予測によると、今後20年間に、中国南方航空、中国国際航空、その他の中国航空会社は新たに約6300機の航空機を必要とし、総額は9500億ドル(約108兆8405億円)に上り、世界の航空機需要の約17%を占めると予想される。また中国は今後20年以内に米国に代わって世界最大の航空機市場および観光市場になることが予想される。