NHK記者
多くの国はこの問題を上手く解決した。二つの要素が共同で作用している。一つ目は市場メカニズムの発揮。契約通り、市場のルールに基づき問題に対処することだ。もう一つは政府の支援。レバレッジを適度に引き上げ、金融機関、特にシステム上重要な銀行が抱えている問題が深刻化しないように政府が支援する。当然ながら、中国の現状は08年の金融危機とは大きく異なる。08年の金融危機のとき、民間銀行の一時国有化に踏み切る国も少なくない。「私有財産制至上主義」の米国でさえ、システム上重要な銀行を一時的に国有化した。金融機関が正常に役割を果たせるように、一連の非常措置を講じた。特に、金融機関が実体経済を引き続きサポートしている状況下で、バランスシートの過度な悪化を避け、バランスシートの改善を図るために、米連邦準備制度理事会(FRB)がシステム上重要な銀行を保護下に置くなど、一時国有化という手段を取った。このような状況を誰もが懸念し、心配していた。心配か否か、それは銀行の大株主であるかどうかとはあまり関係がない。なぜなら、このような重要な銀行の問題はシステム的なリスクに発展する恐れがあるためだ。ただ、中国とこれらの国とは置かれている状況が違う。彼らは危機への対処、我々は下押し圧力への対処。下押し圧力がかかっているものの、中国経済は依然として中高速の成長を維持している。条件が異なる。