米ブルームバーグは17日、「中国は19世紀の米国から何を学べるのか」をタイトルとする記事を掲載した。中国経済がかつての高度成長から、ノーマルな成長へ転換するなか、それを他国の過去の事例と比較する言論が目立っている。もっとも多いのは日本との比較。中国を貶める人は、ソビエトのような“解体”さえありうるとまで予言した。しかし、注目はされていないが、実はもう一つの比較対象がある。それは19世紀末の米国だ。
この比較は実に合理的と言える。内戦後の米国は経済の急成長を成し遂げた。大規模な投資、技術の進歩、人口の都市部移住がその原動力。波乱もあったものの、やがて米国は世界一の経済大国となった。それはいまの中国も目指していることだ。
国際通貨基金(IMF)のエコノミストだった任永力氏は、「優位性や成長速度、世界への影響力などで比較すると、中国の台頭は当時の米国と似通っている。生活レベルが大幅に向上し、雇用創出のため大規模なインフラ建設などが行われた。民間企業は潤沢な、廉価な労働力に恵まれている。当時の米国は数百万人に上る移民が貢献したが、今の中国は膨大な農村部人口に支えられている。当時の米国は鉄道を建設し、西部への定住や地域の発展を推進。中国は過去20年で世界最大規模の鉄道網を構築した」と指摘している。