この2社の買収にまつわる多くの赤字経営報道は、買収側が買収に際し故意にスキャンダル報道を生み出し、それにより買収コストをできるだけ下げようとしている可能性があるとの見方を示す業界関係者もいる。
中怡康家電研究専門家の左延鵲氏は、「この2社の買収で中国企業にとっての最大のメリットは、中国が今後よりグローバルな技術研究開発の実力をつけ、委託製造大国といったイメージを払拭し、海外市場に進出する際により大きなブランド価値を持てるようになるという点にある。率直に言って、中国企業による海外企業買収の最も直接的な目的は、最先端の技術を確立し、知名ブランドを獲得し、それに乗じて海外市場に進出することである」と指摘する。
しかし、中国企業が海外企業を買収する際には大きなリスクを伴う。「海外企業のM&Aの後、多くのブランドや現地のルートの整合は将来的な難所となり、とりわけ多くのブランドの連動した発展を実現するのは非常に困難で、発展と同時に互いに差し支えのない関係を維持することが肝心要となる。そのため、海外進出に際しては結果を急がず、順を追って事を進めていかなければならない」と専門家は警鐘を鳴らす。(編集IM)
「人民網日本語版」2016年3月18日