中国国務院発展研究センターが主催する「中国発展ハイレベルフォーラム2016年年度総会」の経済会議が20日、北京市で開かれた。農業部の屈冬玉副部長は、現代農業・産業体系構築サブフォーラムで、農業現代化が中国の進める「四化」(工業化、情報化、都市化、農業現代化)の弱点になっており、新理念を用いて農業の供給側構造改革を進め、全面的に競争力を高める必要があると指摘。「新理念の実行による農業の競争力向上」をテーマにいくつかの見解を示している。
まずは、産業発展を目標として、農業の管理システムとメカニズムのイノベーションが必要と指摘した。中国の経済成長は大きく変化し、農業・農村に対する要求も変わった。国内の主要農産物の価格が輸入価格を全面的に上回り、生産コストが急速に上昇。労働力コストと資源制約の厳しさが増し、市場競争力が弱く、収益も比較的低い。ここ5年間で輸入大豆が2倍となったのは、主に国内製品単位コストの大幅な上昇が要因だ。
中国はかつて、国際社会で70-80%の市場シェアがあった。これらを踏まえると、新技術、新業態、新モデルを農業に導入し、先進的な理念で農業を牽引する必要がある。また、土地経営制度の改革のほか、集団資産の活用や、産業チェーンと価格チェーンの拡張を進め、多様な形式、適切な規模の経営モデルの発展につなげるとしている。