「思想家たちとの対話:中国モデルの神話と活路」と題した討論会で、世界銀行の元チーフエコノミストである林毅夫氏、ピーターソン国際経済研究所のラディ上席研究員、インドの著名エコノミストであるデブロイ氏、OECDのラモス事務総長などが議論を展開した。
中国経済は長年に渡る高成長を経て、成長が鈍化し、モデル転換の時期に差し掛かっている。国際社会は「中国モデル」に関する議論が再び盛り上がっており、ボアオ・アジアフォーラムでは、このテーマに関する討論会が注目されている。
「中国経済は改革開放政策が実施されて以来、急成長を遂げた。経済のモデル転換を経験した国の中では最もうまくいっているうえ、世界でも最も成功している」と、林毅夫・世界銀行元チーフエコノミストは切り込んだ。「中国経済の発展には新たな原動力が必要だ。イノベーションによる発展を促すことで、各産業では新たな競争優位性が生まれる。中国経済はモデル転換の過程で幾多の困難に直面するだろうが、適切な行動さえ採れば成功できる。中国の発展は、モデル転換期にあるその他の発展途上国にも啓示を与えることになる」と述べた。
「中国経済には良い発展モデルがある」。ピーターソン国際経済研究所のラディ上席研究員は、中国の経済問題に関する専門家として有名だ。ラディ氏は、競争が発展を促すと考えており、「中国は改革開放と市場経済の発展に取り組んでいる。それは自国経済の活性化だけでなく、世界経済の発展も促す」と指摘。「中国経済には、はっきりとした中国の特色がある。政府は大衆の創業創新を奨励しており、これが経済の繁栄を促す。また、中国経済は大きな潜在力を秘めている。市場の一段の開放に伴い、中国には巨大な発展の余地が創出される。中国は今後20年間も力強い成長を維持する見込みで、第3次産業が経済成長に大きく寄与するだろう」との見方を示した。