中国外匯管理局が3月31日に発表した最新統計によると、2015年末時点で中国の対外債務残高は1兆4162億米ドルで、15年末時点から15%低下した。うち短期債務は9206億米ドルと、15年3月末の水準を22%下回り、対外債務残高が低下した主因となった。専門家は、中国の対外債務償還リスクが全般的に低減しているとの見方を示した。
2015年の対外債務残高の変動について、外匯管理局の担当者によると、上半期は安定的に推移していたが、下半期に入ると大幅な低下がみられた。その要因として、第3、4四半期に人民元安観測の強まり、米国の利上げ、内外金利差の縮小、貿易額の減少などが挙げられる。一方、ミクロ的な観点からは、企業が市場の変化に応じて資産・負債構成を積極的に調整した結果とも言える。債務負担の低減とリスク管理の強化が図れている。
債務の主体で分析すると、銀行およびその他の預金業務取扱機関の対外債務の減少が国全体の対外債務残高低下の主因。15年末時点で銀行などの対外債務規模は3月末に比べ25%減。企業、非銀行金融機関などの対外債務も15%減少した。
外匯管理局の担当者は、国際公認の対外債務指標に基づいた集計では、15年末時点で中国の負債比率は13%、債務比率は25%、債務償還率は5%、外貨準備に対する短期対外債務の比率は28%と、いずれも安全圏にあると指摘。今後は人民元為替レートの柔軟性の向上や国際市場の金利・為替レートの変動にともない、中国の対外債務残高が短期的に変動することも常態化になる可能性がある。外匯管理局はモニターリングや分析を強化し、異常なクロスボーダー資金移動の防止に努めるとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月1日