格付け会社の米スタンダード&プアーズは3月31日に発表した報告の中で、中国の国債の信用格付けは据え置いたが、見通しは「安定的」から「ネガティブ」へ引き下げた。ここ1カ月ほどの間に、国際的格付け会社2社が相次いで中国国債の見通しを引き下げたことに、国内市場はもとより海外市場も注目している。財政部(財務省)の史耀斌副部長は同日、国債の信用格付けに関して、人民日報の取材に答えた。
▽格付け会社は中国経済が直面する困難を高く見積もっている史副部長は、「グローバル経済が全体として復興への力が不足する状況にあっても、中国経済は引き続き高い増加率を実現している。中国の国内総生産(GDP)増加率は6.9%で、グローバル経済の成長に対する貢献度は25%を超える。このたび米ムーディーズとスタンダード&プアーズが中国の国債信用格付けを『ネガティブ』と引き下げたことは、中国経済が直面する困難を高く見積もり、中国の改革推進の力やリスク対応力を低く評価したことをある程度示している。中国経済の構造調整、実体経済の債務状況、国有企業の改革、金融市場のリスクなどに対する格付け会社の懸念は、まったく必要のないものだ」と述べた。
▽経済の長期的好転の基本は変わらず格付け会社が中国国債の信用格付け見通しを引き下げたことは、中国の経済や金融市場にどのような影響を与えるだろうか。史副部長は、「国債信用格付けは市場の信頼感と予測に影響を与える要因の一つだが、国の経済の基本的側面こそが、経済と金融市場の運営情勢を決定づける根本的な要素だ」と強調した上で、「現在、中国の経済運営は全体として安定しており、経済が長期的に好転するという基本的側面にはなんら変わりがない。格付け会社が中国国債の信用格付け見通しを『ネガティブ』に引き下げたのは、一連のリスクに注目し、注意を呼びかけたに過ぎず、中国の実体経済や金融市場の運営に目立った影響を与えることはあり得ない」と述べた。